双日建材は、建材を軸に多面的なビジネスネットワークを構築しながら、その事業を展開している。今から数年前、双日建材と人的なつながりのあった住宅メーカーが、株式上場に際して双日建材に出資を打診してきた。笹岡は、出資に伴う社内業務をサポートする担当者として、出資先との交渉役を務めた上司と行動を共にすることになった。笹岡は、出資先との面談に同席して把握した先方の事業戦略や財務情報をもとに、
投資回収計画など社内やグループの上層部に最終的な経営判断を下してもらうために必要な各種書類の作成に奔走した。双日建材の住宅メーカーへの出資は、経営戦略上の大きな意義を持つものだった。本格的な少子高齢化時代を迎えて、国内の住宅着工棟数が落ち込み、建材の需要も縮小している。こうした環境下での住宅メーカーへの出資は、より強固な販売基盤を維持発展させる施策だった。